【スタンド考察】フーゴのパープル・ヘイズ・ディストーションを解説! ジョジョ5部 黄金の風

パープル・ヘイズ・ディストーション/Purple Haze Distortion.


上遠野浩平によるジョジョ5部の後日談、恥知らずのパープルヘイズにて登場したスタンド、パープル・ヘイズ・ディストーションを考察ッ。

破壊力:A

スピード:B
射程距離:C→E
持続力:E
精密動作性:E→C
成長性:B→?

恥知らずのパープル・ヘイズ 


パープル・ヘイズ・ディストーション (Purple Haze Distortion)
パープル・ヘイズ・ディストーション

本体名:パンナコッタ・フーゴ (Pannacotta Fugo)
パンナコッタ・フーゴ

他者を理解した凶暴なスタンド

破壊力:A
スピード:B
射程距離:C→E
持続力:E
精密動作性:E→C
成長性:B→?


ブチャラティ率いる主人公チーム、フーゴのスタンド。
ポルポの「矢」で目覚めた。
元ネタはアメリカのミュージシャン、ジミ・ヘンドリクス(Jimi Hendrix)の名曲Purple Hazeと彼の開発したディストーションと呼ばれるギター奏法から。

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フーゴ精神的な成長を経て、進化したスタンド。
見た目は変わらずヘルメットを被り、凶相の人型であるが、少しだけ暴走の兆候は治まっている。

能力は「共食いする殺人ウイルスの散布」。

パープル・ヘイズ・ディストーションはフーゴシーラEたちとの任務の中で、ようやく自分の過去と向き合い、人と向き合い、自分自身の感情を理解することで成長したスタンド。

パープル・ヘイズ

とはいえ、人は急に性格まで変わるわけではなく、パープル・ヘイズの頃と同じく怨念のエネルギーを元にしたウイルス攻撃を行う。
周りに合わせたり、期待に応えようと鬱屈した怨念のエネルギーは、精神的な成長によりむしろ凶暴に進化している。

作中でもフーゴはカプセルを噛み砕き、自身の血を媒介にマッシモ・ヴォルペにウイルスを感染させ、これまで数十秒かかっていたところを、ほんの数秒で骨も残さず消滅させた。
そして、自滅覚悟であったにも関わらずフーゴは生き残っている。



これはパープル・ヘイズ・ディストーションの殺人ウイルスが進化し、ウイルス同士が共食いするまでになったためである。

つまり、パープル・ヘイズ・ディストーションは全力で攻撃するほど相手への殺傷力がなくなってウイルスの共食いしか起こらず、手加減すればするほど確実に相手を殺せるという矛盾した性質を持つ。


キラークイーンノトーリアス・B・I・Gと同様に怨念のエネルギーを使うスタンド能力は強力極まりない。

だがほんの少しの成長、ディストーションによりスタンドの射程距離は短くなった。
その分、パープル・ヘイズのときは殺人ウイルスが本体を巻き込むために使いにくかった弱点が、ウイルスの攻撃範囲を制御できるようになったために克服されている。





どんな成長をしたのか?

能力の本質は「肉体とスタンドを喰らうスタンドウイルス」。

パープル・ヘイズ・ディストーションの矛盾した性質は一体何が起きているのか。
これは実は非常に単純。

元々パープル・ヘイズの殺人ウイルスは肉体と「魂の器」、そして生命エネルギーを糧に爆発的に繁殖する。

逆に日光などの光、そして高濃度の生命エネルギー=スタンドエネルギーの前では停滞または滅菌される。
このため、スタンドそのものにウイルスは感染しなかった。

しかし、パープル・ヘイズ・ディストーションに進化したことで、スタンドすらも喰らうようになった。

殺人ウイルスを撒き散らすパープル・ヘイズ

このため、皮肉にもウイルス同士の共食いが発生することになったのである。
代わりにこれまで出来なかったスタンドへのウイルス攻撃も可能となったため、偵察に来た遠隔操作型スタンドを凶暴なウイルスで瞬殺できるようになっている。

さらに、この共食いを利用することで、フーゴの意思でウイルスの攻撃範囲を制御できるようになった。
ついにパープル・ヘイズは殺人ウイルスを味方に当てることなく、敵だけを攻撃できるようになったのである。





キレる青年は半歩成長した

フーゴは自分の見てこなかった、それでいてずっとある感情を見ないようにしてきた。
押し込んでいた感情が怨念のエネルギーとしてたまっており、いつ爆発するかもわからない状態にまでなっていた。

うばしゃぁぁあッ!とウイルスでドロドロに溶かすパープル・ヘイズ

ジョルノは本体の死後に怨念のエネルギーにより、殺すこともできない無敵のノトーリアス・B・I・Gとの戦闘を経て、ある疑念にたどり着く。

袂を分かったフーゴのパープル・ヘイズ、あれがもし制御できないままに本体が死亡したら、ノトーリアス・B・I・Gを超える世界の敵になるのではないか、と。

そこでジョルノは、フーゴ成長を期待し、厳しい任務を与えた。
ブチャラティナランチャシーラEの思いをようやく理解に努め、どんな感情でいたのかを共感した。そうして初めてパープル・ヘイズは、暴走する独り歩き型スタンドではなく、制御下に置かれたのである。


出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険

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4 Comments
  • 匿名
    匿名 2025年10月10日 18:57

    殺傷力の具現化と言うべき存在、どうやって制御するのか?という点が全てなんだと思います。フーゴが人間として成長してゆく影響が色濃く出るスタンドだと。仮に、フーゴが結婚して家庭を持ったとして。守るべき存在が出来た時に、どんな風に変化するのか、とか。 恥知らずのパープル・ヘイズ、大好きな小説です。

    • takauchi
      takauchi 2025年10月10日 19:34

      コメントありがとうございます😊
      スタンドは精神力の反映だからこそ、強過ぎて本体が使いづらい能力って本来あり得ないんですよね。

      自分の怒りや悲しみ、自信のなさなんていうのと向き合い、ほんの少し成長する物語でしたね。
      僕も大好きです。

      フーゴの家庭生活かぁ、彼にも幸せになって欲しいものですね。

    • 匿名
      匿名 2025年10月10日 20:04

      精神『乖離』だと、説明がつくかもです。強すぎて制御出来ない能力。

      精神の一部が別の人格なりを宿していて、本体からの制御を受け付けない。
      群体型スタンドの最強格『オール・アロング・ウォッチタワー』の場合、ムーロロがどこかでどうでもいいと投げ出していて、冷め切った目で見ていたからこそ、ギリギリのところで制御出来ていた。
      大真面目に受け取る人間だと、制御しきれずに暴走の恐れもあった。

      そこに片足を突っ込んでいたのが、パープル・ヘイズではないかと。
      フーゴが宿していた精神エネルギー自体が規格外だったのでしょうね。

    • takauchi
      takauchi 2025年10月10日 21:58

      なるほど。確かに精神なんて言うけど、人間いろんな面を同時に持っていて、自分を完全に制御してるわけではないですからね✨

      オール・アロング・ウォッチタワーは自分自身をも冷め切った目で見ていたからあんな能力なんでしょうね。
      カリスマジョルノに心酔していて良かった笑

      そうですね、フーゴがパープル・ヘイズと向き合う表現は素敵だと思いました。

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