天国へ行く方法III/Stairway to Heaven III
アニメでもついにプッチ神父が話しました、「14の言葉」の考察をやります。
もう既に多くの方が考察されていますが、それらをまとめつつ独自の答えも出していきます。
ではここから考察をスタートします。
「14の言葉」の目的
天国へ至る手順という記事で、天国までの手順を便宜的に6つの小節に分けた。
そのうち、「14の言葉」は第4節に当たる。
【天国へ行く方法】2.天国へ至る手順
天国へ行く方法を小節分けしています。この小節ごとに今後は詳細に考察予定。
まず、DIOのノートに書かれていた14の言葉に当たる部分を引用する。
必要なものは 『14の言葉』である「らせん階段」 「カブト虫」 「廃墟の街」 「イチジクのタルト」 「カブト虫」「ドロローサへの道」 「カブト虫」 「特異点」 「ジョット」 「天使(エンジェル)」「紫陽花」 「カブト虫」 「特異点」 「秘密の皇帝」わたし自身を忘れないようにこの言葉をわたしのスタンドそのものに 傷として刻みつけておこう(中略)そこから『新しいもの』を生み出すであろう「生まれたもの」は目醒める信頼できる友が発する 14の言葉に知性を示して…『友』はわたしを信頼し わたしは『友』になる
まずこの「14の言葉」は前提として、「わたし自身を忘れないように」するためのもの、ということに留意。
わたし=DIOが「14の言葉」を忘れないようにスタンドに刻みつけるのではない。
「14の言葉」はわたし自身「を」忘れないため、つまりDIOが自分自身を忘れないための言葉なのである。
なぜDIOは自分自身を忘れてしまうと言っているのか?
これは明確に示されていないが、前後の文章や前述の考察から、DIOはザ・ワールドを捨て去る際に一度死か記憶喪失となり、そこからの復活を目論んでいると予測される。
この死は第3部において空条承太郎に倒されることを予測していた、とも取れるが、DIOの性格からしてジョースター家に再度敗北することを自身の計画に織り込むとは思えない。
緑色の赤ん坊も恐らく不完全な姿なのではないか。
よってこれは「天国」へ行く過程で一度の死、少なくとも自我の喪失をして、新しく生まれたものとして復活することを計画していた、ということである。
14の言葉は融合した「友」にDIOの人格を再構成させるためのパスワード、リカバリーフレーズと考えられる。
そのフレーズに、DIOの記憶を戻すための意味が込められている、という仮定の元で考察していく。
「14の言葉」の意味
上述から「14の言葉」はそもそも一度失われる予定のDIOの自我、または記憶を忘れないようにするための、知性を呼び戻すキーワードのようなものである。
西尾維新が書いたジョジョスピンオフ小説、DIOの日記の体で記されたOVER HEAVENでは、「14の言葉」はDIOが記憶を取り戻すためのキーワードとしての役割にフォーカスした考察をしている。
この単語には全く意味はなく、DIOが幼少期に母親に聴かされていた子守唄が「14の言葉」である、としている。
わたしを忘れないため、には確かに十分かもしれない考察である。
ただ、カブト虫が4回も出てくる子守唄ってなんだ?ともなる(笑)。
以下では、自分なりに各単語から意味を考察していく。
らせん階段
辞書によると、
螺旋状に昇降する階段。螺階。
である。
DIOの生涯でらせん階段というと、ジョースター邸、DIOの屋敷に設置されていただろうか。
何かDIOの記憶と即符合するところはないように思える。
らせん階段が何かの暗喩であるとして考察すると、「一巡後の世界」という円環、回転が思い浮かぶ。
そして、「黄金の回転」も螺旋状であった。
ジョジョの世界は、少なくとも第6部まで「運命決定論」の世界として描かれている。
詳細を語りだすとキリがないため、この話は別項にて述べる。
【スタンド考察】プッチ神父のメイド・イン・ヘブンを解説!
メイド・イン・ヘブンで語られた宇宙の一巡とはなんなのか?サイクリック宇宙論とは?考察しています。
簡単に述べると、ジョジョ世界は過去も未来も決定づけられ、さらにそれはサイクリック宇宙として繰り返す「永劫回帰」をしている。
永劫回帰とは何度も、何も変化せずに繰り返すという円環の宇宙論である。
この何も変わらない運命を変えることこそが「らせん」、「黄金の回転」ではないか。
らせん階段に「死」の運命からの脱却、という意味をDIOは込めたのかもしれない。
また、「岸辺露伴ルーヴルへ行く」ではこんな一節がある。
「血縁」だルーヴルの地下・・・螺旋階段の下に現れたこの人々は全員−−(中略)その死に方は血のつながった「先祖」が過去に犯した罪ッ!
これは遺棄された地下倉庫に隠された絵を探しに行く際の話であるが、敢えて螺旋階段という言葉を使っている。
荒木先生の中で螺旋、螺旋階段は血統というイメージがあるのかもしれない。
カブト虫
辞書によると、
コガネムシ科の昆虫。体長4~5センチ。体は黒褐色でつやがあり、雄は頭に角をもつ。主に夜活動し、クヌギ・サイカチなどの樹液を吸う。腐葉土中に産卵し、幼虫は越冬ののち、7月ごろ成虫となる。
である。
カブト虫は14の言葉のうち4つもある、すごい重要な単語のようであるが、全く連想の付かない単語である。
ジョジョでカブト虫と言えば、第3部のタワーオブグレー(これはクワガタ虫)、偽花京院が食べたやつ、くらいであり、DIOとの関連も見出しにくい。
ファンの推測が数多くされた中で、カブト虫については2つの説がよく唱えられている。
1つ目はカブト虫はスカラベ説、2つ目はカブト虫は4匹でビートルズ説である。
カブト虫=スカラベ説
1つ目のスカラベ説から述べる。
これは「復活」を目論むDIOがスカラベにその意味をこめたという説である。
スカラベとは辞書によると、
甲虫類に属する昆虫の一群で、タマオシコガネ、フンコロガシなどとよばれる。獣糞(じゅうふん)を球状にして転がし、餌(え)にしたり、産卵に用いる。古代エジプトでは、その生態に象徴的意義をみ、スカラベの姿神ケプリ(ケペリ)が崇拝された。糞球を運ぶようすを、太陽が天空を東から西に運ばれる姿になぞらえ、ケプリ神は太陽神アトゥムと同一視された。ケプリとは「自ら生まれた者」の意。スカラベは「再生」「復活」「創造」のシンボルとされ、古代エジプトではその意匠は彫刻、印章、護符、装身具などに用いられた。彫刻ではカルナック神殿の像、大英博物館蔵の巨像が有名。護符にはラピスラズリ、トルコ石、黒曜石、ファイアンスなどが用いられ、裏面に所有者名や神像などを彫り、身につけたり、ミイラの包帯に巻き込んだ。やや大形で、裏に「死者の書」を記した「心臓スカラベ」は、ミイラの胸の上に置かれた。
とある。
古代エジプト、アトゥム神と同一視、「再生」や「復活」などDIOとの関連が伺える。
スピンオフ小説、西尾維新の「OVERHEAVEN」においても、ダービー兄弟のオシリス神とアトゥム神はDIOに魂の存在を確信させる重要なスタンドであった、と記されている。
魂の波を検知するスタンド、アトゥム神や第3部で復活したDIO、そしてエジプトを感じさせるスカラベ説はなかなか可能性がありそうである。
最初からカブト虫ではなくスカラベと言え、とも思うが。
カブト虫=ビートルズ説の出所
カブト虫はビートルズである、という説について考察する。
2つ目のビートルズ説であるが、私の知る限り初出は名作フリーゲーム「ディアボロの大冒険」である。
私も何十時間とかけて遊んだディアボロの大冒険だが軽く説明すると、KMQ SOFTが製作した「ジョジョの奇妙な冒険」の二次創作ローグライクゲームである。
あの「1000回遊べる」というキャッチフレーズで一世を風靡し、ローグライク、不思議なダンジョンシリーズという言葉を定着させた「トルネコの大冒険」や「風来のシレン」のシステムをベースに、ジョジョマニアが唸るほどジョジョネタを落とし込んだ恐ろしく完成度の高いフリーゲームなのだ。
この中で、武器防具となるスタンドDISCを合成して強化することが出来るのだが、特殊な合成が存在する。(そもそも合成の壺に相当する合成方法がクレイジー・ダイヤモンドかDIOの骨である。ジョジョネタが上手い!)
最も面倒な特殊合成にメイド・イン・ヘブンが挙げられる。
この作り方はホワイトスネイクのスタンドDISCにDIOの骨で4つのカブト虫を合成せよ、とヒントを出されている。
※以下ディアボロの大冒険のネタバレ有り!
これは上記の4つのスタンドDISCを装備すると流れるBGMが全てビートルズの曲なのだ。
ビートルズの綴りはBeatlesであり、鼓動Beatとカブト虫Beetlesをかけたバンド名である。
当時、別の単語とかけたバンド名にするのが流行っていたそうだ。
ここから4つのカブト虫を4つのビートルズの曲と解釈したのは天才的だと当時思ったものだ。
恐らくこのディアボロの大冒険からカブト虫=ビートルズ説が生まれたのではないかな、と推測される。
カブト虫のビートルズ説は荒木先生やりそうだな、とも思うので、本考察ではこれを採用する。
ビートルズだとして、つまりなんなのか?
だが問題は4つのカブト虫がビートルズの暗喩だとして、だからなんなんだ、ということである。
ジョジョにおいてビートルズが由来の名称というと、ジョセフが聴いていたカセットテープのGet Back、イエローテンパランスのラバーソール、ギアッチョのホワイト・アルバム、ルーシー・スティール、そしてエリナ・ジョースターである。
この中で本体名がビートルズと関係するのはラバーソール、エリナ、ルーシー。
7部はDIOの知るよしもない世界なので、可能性があるのはラバーソールかエリナに絞られる。
金で雇っただけのラバーソールよりは、エリナの方がDIOの人生に影響を与えていそうなので、
カブト虫=エリナ・ジョースターの暗喩である!!
かなり飛躍はあるので異論は認める。
DIOにとってのエリナ考察
西尾維新のOVERHEAVENや舞城王太郎のJORGE JOESTARでも、エリナは「聖女」のような存在とされている。(※注 以下、OVERHEAVENやJORGE JOESTARのネタバレ含みます。)
そして、聖女はいつも自身の人生を阻んできた、とDIOは述懐している。
聖女はエリナやホリィ、ディオの母親が該当するようだ。
第1部ではほぼ語られていないディオの母親であるが、ここでは第7部のディエゴの母親のエピソードをオマージュしている。
これくらいでエリナがDIOにとって重要人物になるか?というと疑問であるが、実はもう一つ、DIOとエリナの関係性にとって大事なエピソードがある。
それはジョジョの謎の一つ、「第1部ラストでディオとエリナはどうやって船の沈没から逃れたのか?」に関連する。
エリナは赤ん坊のリサリサと共に、ディオが持ち込んだ棺桶に潜り込むことで船の爆破から逃れて、カナリア諸島沖にて救出されている。
そしてそこから100年後、カナリア諸島沖の海底からサルベージされた棺桶からDIOは蘇り、復活している。
ここでディオはどうやってエリナの入っている棺桶に入ったのか、という疑問が生じる。
そもそもディオは首だけであり、ジョナサンの拘束を逃れて首を交換し、ボディを手に入れる必要がある。
それから、エリナとリサリサが入っている棺桶を開き、棺桶に潜り込む必要があるのだ。
この疑問を解決すべく、ファンの間では棺桶二重底説と棺桶が2つあった説が挙げられている。
まず棺桶2つ説は矛盾は解決されるが物語の流れとして少しおかしくなる。
明らかにエリナの棺桶=DIOの棺桶という暗示で第3部は始まるからだ。
では二重底説はというと、エリナが先に棺桶に退避したあとにDIOが二重底の下に入れるのか?
疑問である。
まぁ、エリナが気絶している間になんとかディオが棺桶の下に潜り込んだとか、一刻の猶予も許さない状況だったため、ディオが瀕死で棺桶の下に潜んでいることを承知でエリナが棺桶に乗って脱出したとか、なんとか辻褄合わせは出来なくもない。
舞城王太郎のJORGE JORSTARではジョナサンの肉体を持つディオがジョナサンの首を所持しながら、エリナと大西洋上から救出されるまでの奇妙な極限生活を描いている。
西尾維新のOVERHEAVENではディオを棺桶に入れて救ったのはエリナである、と仄めかしている。
ここからは上記も踏まえて独自考察、というか妄想だが、棺桶の中でディオとエリナは奇妙な関係があったのだと考える。
エリナがディオを助けたのか、死んだジョナサンの肉体だけでもしっかりと埋葬しようとして棺桶に一緒に入ったのか?
日中はジョナサンの肉体を奪うことに注力していたディオは夜中、エリナとどんな会話をしていたのか?
なぜエリナを襲わなかったのか?
ジョナサンの首は何処に消えたのか?
そもそもそんな極限での駆け引きはなく、ディオは動けないままジョナサンの死体に取り付く首として海底に葬られただけなのか?
不明なままであるが、DIOにとってエリナは不覚にも助けられた存在で、もしかしたら駆け引きの末に海底に閉じ込められた存在なのかもしれない。
そんな妄想からDIOの人生にとってエリナとは一つの重要な要素であり、カブト虫という言葉で残していると考える。
廃墟の街
辞書によると
建物、市街などが人為的あるいは自然の破壊によって長らくうち棄てられ、機能を失って荒れ果てた跡。エジプトやギリシア・ローマの遺跡,古城や古教会などの遺構に代表され、しばしば人間の営みに対する時の勝利や人造物に対する自然の永遠性、死の遍在の象徴とされる。この言葉からは石の冷たさと無機性が連想されるため、すぐに朽ち果てる木造建築の遺構にはあまり使用されない。廃墟への関心は,西洋ではルネサンス期に発生した。
ジョジョで登場した廃墟の街というと、食屍鬼街(オウガーストリート)ではなく、ディオによって住民のほぼ全てをゾンビに変えられてしまった風の騎士たちの町(ウィンドナイツ・ロット)だろうか。
ただここは街ではなく町。
街と町で漢字としての意味に違いはないそうだが、一般的に街の方が住居以外に商業施設なども含み広いイメージである。
ロット(lot)も地区、区画という意味で町に近い。
断崖絶壁のある閉鎖された町、そしてメアリー・スチュアート妃、伝説の騎士タルカスとブラフォードも眠る曰くのある土地である。
ディオが最初に支配した土地であり、ジョナサン・ジョースター、ツェペリ男爵、スピードワゴンたちと戦った決戦の場。
間違いなくDIOの記憶に残る場である。
また、洋楽で言うとボブ・ディラン(Bob Dylan)の楽曲にそのもの、廃墟の街(Desolation Row)がある。
ボブ・ディランはあのヘブンズ・ドアーの元ネタでもあるので、恐らく廃墟の街はここからなのだと思われる。
この曲はディランのアコースティックギターとハーモニカ、そして歌詞によってイメージが膨らみ続ける10分近い曲だ。
この歌の歌詞は、この廃墟の街は童話や神話、歴史上の人物が集っている不思議なものとなっている。
シンデレラにロミオ、カインとアベル、ノートルダムのせむし男、カサノバ、アインシュタインと繋がりのない人物たちがみんな集まり、暗く退廃的に、そして自由に過ごしている。
誰も出て行きたがらない、与えられた役割や正しいこともせず、病的に退廃的なことに耽るそんなおかしな歌である。
ただ、このディランの歌によってどこか懐かしいような聴いていたくなる曲なのだ。
また、プッチ神父的解釈からするとこの廃墟の街はソドムとゴモラではないか、とする説もある。
ソドムとゴモラは旧約聖書に登場する都市で、悪徳と頽廃の都市である。
そして、「神の罰」が降った都市としても有名。
ソドムとゴモラはみだらな肉欲にまみれた都市とされている。
そしてこれを良しとしない神は天からの硫黄と火によって住民ごと都市を滅ぼすことを決めた。
ただ都市に住む義人(正義を守る人)だけは逃げる猶予を与え、その結果、預言者ロトとその家族は脱出することになる。
ただ、逃げる際に決して振り返ってはならないという約束がなされる。
この約束を破り、滅ぼされる故郷を振り返ってしまったロトの妻は、その瞬間に「塩の柱」になってしまったという。
この話は、振り返ってはならない怪奇話のようにも見えるが、信仰の話としては神を少しでも疑ってはならない、とか神との約束は徹底しなければならない、不浄の街に少しでも心惹かれただけでアウト、ということだろうか。
またこの話で、ロトのおじアブラハムは神に街ごと滅ぼすことが厳しすぎると問答し、正しい者のみ助けることになっている。
正しい者のみ連れて、他は廃墟の街ごと滅ぼされる様子はまるでメイド・イン・ヘブンによって宇宙を一巡させる殉教者たらんとするプッチ神父のようである。
ソドムとゴモラが罰せられた罪は近親相姦が蔓延っていたことだとされている。
これはプッチ神父にとっては妹ペルラと双子の弟ウェザーの悲劇を思い出させるだろう。
プッチ神父が天国へ向かうきっかけとなった原点である。
プッチ神父にとって廃墟の街とは、殉教者として正しい者を連れて出る場所、そして自分が何をしてでも天国へ向かうと決めた原点だったといえる。
ディランの廃墟の街も確かに、物語の人物も歴史上の人物も全員、正しいことをしていない。
DIOにとっては、次のステージへ行くための過去の場所、というところであろう。
イチジクのタルト
イチジクは「知恵の実」や「原罪」の象徴とも言えるところから、復活したDIOが天国に至り、さらなる叡智を求めることを忘れないためのワードだろうか。
イチジクは辞書によると、
いちじく【無=花=果/映=日=果】
クワ科の落葉高木。高さ約4メートル。葉は手のひら状に裂けていて、互生する。初夏、卵大の花嚢(かのう)を生じ、内部に多数の雄花と雌花をつけるが、外からは見えない。熟すと暗紫色になり、甘く、生食のほかジャムなどにする。茎・葉は薬用。寛永年間(1624〜1643)に渡来した。日本のものは雄花を欠き、挿し木でふやす。
また、タルトは辞書によると、
果物を入れたパイ。円形のパ-トの台に果物、クリ-ム等を敷き詰めたもの。使用されるパ-トはパイやサブレ等いろいろある。
DIOにイチジクのタルトと関連するエピソードはというと全くない。
DIOが好きだったというわけでもないので、このワードはかなり謎である。
プッチ神父からすると、やはりイチジクがキーワードであろうか。
キリスト教では、アダムとイブがエデンの園で知恵の実を食して「知性」を得た際に、自身が裸であることを恥じて身体を隠すのに使ったのが「イチジクの葉」と言われている。
ここから禁断の知恵の実はイチジクであった、という説も生まれている。
イチジクというのは「禁断の知恵」、「知性」、「知恵の実」といったものの象徴なのである。
プッチ神父にとっては天国へ行く方法そのものが「禁断の知恵」そのものだったとも言える。
また、新たに生まれたものである緑色の赤ちゃんの額にもイチジクの葉の紋様が刻まれている。
これは天国へ至る禁断の知恵を緑色の赤ちゃんが持っている、という意味だろうか。
14の言葉に「知性」を示す、という言葉からもそれが期待される。
またイチジクにはもう一つ象徴されるものがある。
それは「原罪」だ。
アダムとイブはエデンの園で神に禁じられていた知恵の実を食して、知恵を得てしまうという罪で、楽園から追放される。
これによりアダムとイブの子孫である人類は生まれながらにして罪を負い続けている、というものである。
カブト虫
同上。
ドロローサへの道
語源はキリストが十字架を背負い、ゴルゴダの丘で磔刑されるまでの道のこと。
DIOのこれまでの道程をなぞらえ、思い出すためのワードだろうか。
ドロローサへの道はヴィア・ドロローサ(Via Dolorosa)が原語で、ラテン語で苦難の道、という意味である。
聖書によると、エルサレムに到着したイエス・キリストは十字架を背負って旧市街からゴルゴダの丘まで歩かされ、磔刑に処されている。
この行いと道がキリスト教徒によって崇拝され、聖地巡礼の場とされている。
この道には14ヶ所の留という中継点が用意されており、各所にキリストのエピソードを表す建造物などが建てられている。
巡礼者は各留で祈りを捧げ、信仰を深める。
このようにドロローサへの道は歴史的な土地というだけでなく、信者にとって苦難を乗り越え、信仰を深める霊的な成長の象徴とされている。
さて、これとDIOに何の関係があるのか、考察する。
ドロローサへの道には14の留があり、この14の言葉と符合する。
14の留は下記の5つの段階に分けられるそうだ。
1〜3留:イエスの肉体的な苦しみを表す
1〜3の言葉:らせん階段、カブト虫、廃墟の街
4〜6留:イエスの周囲の人物の反応を表す
4〜6の言葉:イチジクのタルト、カブト虫、ドロローサへの道
7〜9留:イエスの絶望と苦しみを表す
7〜9の言葉:カブト虫、特異点、ジョット
10〜12留:イエスの死を表す
10〜12の言葉:天使(エンジェル)、紫陽花、カブト虫
13〜14留:イエスの復活を表す
13〜14の言葉:特異点、秘密の皇帝
たまたまだろうが、各段階にカブト虫が入っている。
カブト虫は段階を示す言葉なのか?
各段階の今は読み解かないが、イエスの復活に特異点と秘密の皇帝が来るのは意味深だ。
ここから、ドロローサへの道は14の言葉に意味があることを暗示し、緑色の赤ちゃんに各ワードの意味を気づかせるためのワードなのではないか。
例えば、
らせん階段、廃墟の街はジョナサンとの出会いやディオ・ブランドー時代のこと、
イチジクのタルト、ドロローサへの道はザ・ワールドに目覚め、天国を求める第3部DIO時代のこと、
特異点、ジョットはザ・ワールドを一度捨て去ること、
天使(エンジェル)、紫陽花は36名以上の極罪を犯した者の魂を集めて友と融合、再構築すること、
特異点と秘密の皇帝は天国へ至る、ということだろうか。
ドロローサへの道は、この過程にいることを自身に思い出させるワードと考察する。
カブト虫
同上。
↓↓↓順次更新します↓↓↓
特異点
ジョット
天使(エンジェル)
紫陽花
カブト虫
特異点
秘密の皇帝
その目的は?
暗号なのか?
鍵に意味はない
オマージュは映画AIの7つの起動パスワード
CIRRUS 巻雲
SOCRATES ソクラテス
PARTICLE 分子
DECIBEL デシベル
HURRICANE ハリケーン
DOLPHIN イルカ
TULIP チューリップ
出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険
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漫画考察ランキング1位達成!!漫画ランキング1位狙ってますので、
エリナが抱えていたのはリサリサではなくジョージ・ジョーンズ2世ではないですか?
返信削除コメントありがとうございます。エリナが第一部ラストで抱えていた赤ん坊はリサリサですね。当時まだジョージ・ジョースター2世はお腹の中で生まれていません。
削除全然違う箇所の話でしたらすいませェん!